Subject: お金
Date: Wed, 23 Jun 1999 01:47:21 +0900
久米宏さんの「ニュースステーション」の特集で徳島県のダム建設の様子をやっていました。今この日本においてもダム建設は考え方がひっくり返って「ダム」は「ムダ」となっているにもかかわらず、起工式が始まったというのです。
そこの町長は起工式が始まってしまったのだから、賛成、反対と言うよりもその先をどうするかを考えなければ、と言ってました。典型的な日本人、否、そんな事を言ったら多くの日本人に対して失礼か。でも、やっぱり典型的な日本人だ。過半数の人が反対運動に署名しているのに選挙では賛成の人が票を集めているのだから、みんなこの町長と同じ思考回路で物を考えているに違いない。
反対し続けているほんの数人は立ち退かず農業を続けている。かたや、多額の保証金を貰った人は隣の町に引っ越して御殿のような家を建てて暮らしている。また、その町長が率いる町役場はこれまたお伽の国のような周りの山々にそぐわない役場に変身。その二つの映像を見て又、人間の幸せってなんだろう?裕福ってなんだろう?豊さってなんだろう?と考えてしまった。これも、会議室で皆と語り合った「ピアノと裕福について」の話しがあったからこそ、とても滑稽な映像に見えてしまったのだ。皆、豊かな自然や人とのつながりや、歴史や思いでや、生き方までを多額のお金と交換したのです。
その御殿のような家をみて悲しくなりました。きっとこの家の中の暮らしぶりはそうは変わってないのではないだろうか。一時的に大金を手にしたとしても、その後の月々の収入が上がったとは考えられないのです。
騙されたのです。新しい高価な服を着ても、時が経てば古くボロボロになるのです。自分の身の回りをどんなに飾っても自分がボロボロになっちゃお仕舞いです。今の僕がそうです。大切に取っておいた、10年近くほとんど着ないで大事に取っておいたズボン。ウエストがきつくて入らないのです。何の為に高い金出して、しかも着ないでしまっておいたんだろう?涙がでそうです。そこで僕は中身こそが大事だと言う事に気づきました。そして腹筋をやり、ジョギングして腹を引っ込めようとしています……あのズボンをはく為に。
あれっ?どこかで思考方法を間違えたかな?
これじゃ保証金を貰った人と同じか?
やっぱり金だ。金さえあればズボンが買える!
松元ヒロ
|