Subject: 涙腺
Date: Mon, 7 Jun 1999 06:58:30 +0900
歳の所為でしょうか、最近涙もろくなりました。
つい先日、こまつ座の「父と暮らせば」と言うお芝居を観てきましたが、始めから最後まで鼻をすすっておりました。
ついでに宣伝しますと、今、地方公演がはじまっていて、7月から新宿サザンシアターでやる、こまつ座「頭痛肩こり樋口一葉」のパンフレットに、先日の「生活者大学校」での私の写真と「憲法くん」の台本が掲載されています。これも泣けます。
何故かって?昔と違い写真の私、明かに腹が出ているのです。その中年体型に涙!
伊奈カッペイさんのライブでもみんなが笑っている所でも泣いてしまうのです。最近はどこへ行くにもハンカチと水分補給の為のエビアンは欠かせません。
そのくせ、タマ〜にある「どうなってるの」の再現で泣くシーンがある時は涙が出てこないのです。これじゃただの涙もろい中年です。
少し前、ライブハウスで知り合いのロック・ライブがありまして、そこで懐かしいGSの「アイ高野」さんが歌う「好きさ・好きさ・・」を聞きながら昔の思い出が頭の中を駆け巡り、一曲ごとに涙の大安売り。そして、そのライブの中で一番泣いたのは「ジョー山中」さんが歌う『スタンドバイ・ミー』でした。僕だって『人間の証明』まではなんとか涙腺をキュッツと締めて我慢してはいたのです。(水分補給の為のビール代も惜しいし。)でも、彼が「インジャナイ〜・・・」と歌い出した途端、泣いても「インジャナイ?」と思ったのです。
でも何故こんなに泣けるんだろう?
泣きながら考えました。そしてこの感情は懐かしさだけじゃないって事に気づきました。歌がうまいのです。感動してたのです。演奏も素晴らしく、ぴったりとリズムが合って…。TVで見る事も殆ど無くなったけれど、凄い迫力と心地良い感動。気がついたらスタンディングオベーションしている自分がいました。「僕も続けよう」と強く思いました。
そしてライブも終わり、そろそろ帰ろうかなと席を立とうとした時、僕のテーブルに先ほどジョーさん達と歌っていた若いヴォーカルの女の娘がやってきて、こう言うのです。
「『笑パーティー』のファンでした。がんばってくださいね! 応援してます。」
せっかく締めていた涙腺がゆるみ、目じりは下がり、鼻の下は長くなっていました。
松元ヒロ
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