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週刊ヒロポン・その2

Subject: 天才
Date: Sat, 8 May 1999 14:52:21 +0900

芸人というお仕事はどうにも不安定です。物理的に不安定です。仕事があったり無かったりなのです。正確には僕の場合、無かったり、無かったり、あったと思ったらキャンセルだったり、なのです。そうすると、精神的にも不安定です。そうすると、あれだけ自信を持っていたはずの自分の芸に関しても、とっても自信がぐらついてくるのです。ですから、お客様の前に立つとき、いつも不安でいっぱいなのです。ドキドキです。
でも、お客様と一体になれた時、笑いの渦となった時、その喜びは何物にも換え難いものとなるのです。しかし、その反対に…「誰?この人」「それがどうしたの?」「可哀相なおじさん」「もうわかったから、ひっこめ!」…となった時は再びどん底です。
しかし、47歳にもなってこんなんでよいのでしょうか?そうなんです。普通の人は経験をひとつひとつ積み重ねて行きますよね?
私の場合は違うのです。重ねずに横に並べて行くのです。上から見るといっぱい経験してるのが見えるはずです。ところが、横から見るとほとんど見えないのです。いわゆる積み重ね、学習というものが無いのです。このパソコンでさえ学習機能があると言うのに……わたしだって少しは自信を持ちたい…。
と、傷心の日々を送っていたわたしが最近少し吹っ切れました。それはね?あの、作家の灰谷健次郎さんに「君は天才だ!」と言われたからです。
4月、報道写真家「石川文洋」さんの自宅に招かれた私達は諏訪湖を見下ろす温泉で、昼から呑み始め、夜中になった時です。ポツリ、と灰谷さんが言ったのです。
「あのね、君は天才やと思う。」
マタ、マタ々々々…と茶化す私に、静かにこう続けました。
「僕もね、この歳になってようやく、自信を持てるようになったの」
「僕の小説は児童文学やからね、子供にも読める文章なの、だから大人向けの小説書く人に、なんかコンプレックスが少しはあったのよ。でもね、この小説、この文章は私にしか書けないと、思えるようになったの。うまいとか、へたとか、誰と比べて、とかやないの。その人にしか出来ない、それが天才なんよ…。そやから、ヒロさんは天才やと僕は思う。どんどんやってや!」
……私は泣いてました。

松元ヒロ



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