Subject: ジャパンブルー
Date: Thu, 27 Jun 2002 05:32:27 +0900
日本中が「にわかサッカーファン」になってしまったこの6月でしたね。
日本が負け、がんばった韓国が準決勝でいなくなると決勝を前にこんなにも冷静に他の試合を見られるものなんですね。あれは「日本ガンバレ!」であってサッカーのファンになったわけではなかったんですね。
早い話が出場している選手は誰でも良かったんですよね。サッカーチームの選手に応援しているというより、ニッポンを応援していたのですね。こういうのはサポーターとは言わないのでしょうね。
選手にとってはたいしてありがたくもないですね。その時だけですから。
チュニジア戦の時の小泉首相は正にその典型でしたね。
「不思議だねえ、ゴールした瞬間バアッっとなってさ。ジーンと涙が出てこない?感動した!」
と記者達に語った時、記者もTVのこちら側も白けてしまいましたよね「単純!」と。
皆涙が出てくるものと信じているのでしょうね。日本全国TVが映し出したブルーのシャツ一色しか着ていないと思っていたのでしょうね。私はTVに向かって思わずつぶやいた。
「あんた、そんなにサッカー好きだった?」
確かブッシュとキャッチボールをやったよね。首相官邸には野球のためのストライクゾーンまで作っていたよね。この人は他人に合わせて生きているんだよね…
まるで私そっくり…
だから私はあの人の心の内が分かるのです。
人気者になりたいだけなのです。正しい事を言う少数派より、多数派と一緒にいたいのです。ブッシュの傍に行った時には無条件で「あなたの味方」と言うのです。
私は同じ青いシャツを着て山手線に乗っていた若者たちにそんなにパワーを感じなかった。でも、翌日「有事法制」に反対する市民の集いに参加していた、ルーズソックスやバラバラのシャツを着た高校生たちにはパワーを感じました。
パワーに呑み込まれるのと、個人を失わない違いとでもいうのでしょうか。
先日、日本日本と連発する有事法制賛成の人とお酒を呑んだ。彼が
「じゃあ、日本が攻められたらどうするんですか!」
と言うので、
「その時はしょうがない。日本の為に生きている訳じゃないし。死ぬ時は死ぬし」
と言ったら妙に納得されてしまった。
全員ジャパンブルーじゃブルーな気持ちになっちゃうよ。色々な色があった方が楽しいんじゃない?
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