Subject: 犬のクッキー
Date: Sun, 6 May 2001 14:20:21 +0900
私の家には犬がいます。
ウチの犬ではないのです。隣の隣の犬です。名前をクッキーと言います。
隣に女房の母の家があり、そのまた隣に女房の姉夫婦が住んでおります。3軒の家は繋がっています。私は居候みたいなので、マスオさんと呼ばれております。
クッキーは義姉の家で買って来た黒柴犬です。現住所は義姉の家です。でも、何故かいつも私の家にいるのです。食事も散歩も寝るのも全ては義姉の家でやるのですが、その他はいつも私の家にいるのです。何故か私と相性が良いのです。
旅の仕事から久々に帰ってくると、玄関に入るなり尻尾を振って飛び掛ってきて、キスをして、「もうどうにでもして!」と仰向けに寝っころがって無防備に腹を見せるのです。暫くそのお腹をさすってやらないと興奮はおさまりません。ちなみにこの犬は3歳のメスです。
クッキーと一緒にいると本当に心が和みます。
舞台でウケてもウケなくても同じ様に僕を迎えてくれます。そして、彼女が何を言いたいのかが、手に取るようにわかります。ドアを開けて欲しいとか、オシッコに行きたい。今食べているのを、ちょと頂戴、とか。でももう一緒に暮らし始めて3年になるのに、未だに言葉を発しません。でも、分かるのです。だから良い関係でいられるのですね。
犬が喋ったらこんなに癒されないかもしれません。
「なんだ、食い物くれるって、そんだけなの?ケチ!」
「今日も仕事無いの?しっかりしたらどうなの?」
とか言ったらきっと喧嘩になっているでしょう。
何を考えているのだろう?とマジマジと犬の目を見ることがあります。
欲はあるのです。特に食欲は。眠りたい時に寝て、起きたい時に起きて。本能のままに生きているのでしょう。
そんな奴になんで私が癒されなきゃならないのかが癪です。
なんの努力もしていないのに。早い話、ただ生きているだけです。だから癒されるのかな?
「お前は凄いよ。悟ってるよな。」
と話しかけたけど、なんにも答えてくれない。嬉しそうな顔もしない。
案外、何の言い訳も一切しないで、一生懸命生きてその人生、否その犬生を楽しんでいるのはこのクッキーの方かも…ドキリとした。
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