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週刊ヒロポン・その28

Subject: 飛行機
Date: Wed, 15 Nov 2000 00:28:20 +0900



北海道のライブツアーからの帰り、確かANAだった。飛行機の出発が遅れていた。その時、機内アナウンスが流れてきた。
「本日はご搭乗ありがとう御座います。出発時刻を過ぎておりますが、只今、お一人のお客様をお待ちしております。皆様お急ぎで御座いますので、切り捨てて出発しようと思いましたが、そのお客様から手荷
物をお預かりしていることが判明致しました。従って、今一生懸命お客様を探して…只今、発見したとの情報が入りました。まもなくご搭乗されますので、今暫くお待ち下さいませ。申し遅れましたが、私、機長の内田で御座います。本日はごゆるりと空の旅をお楽しみ下さいませ。機内ではビールも販売いたしております。お気軽に『ミメウルワシイ』宮本のりこをはじめとした客室乗務員にお申しつけ下さり、乗務員との楽しい語らいと共にビールをお楽しみくださるというのはどうでございましょうか。」
立て板に水とはこの事だ。
こんなユーモアに富んだ機内アナウンスは初めてだ。出発の遅れで客のイライラを紛らす為のサービスだろうが、実に上手い。更に機長は続けた。
「他社のパイロットからの情報によりますと、途中軽い揺れがあるそうでございます。私どもにとっての軽い揺れ、とは、皆様にとっては激しい揺れで御座います。出来るだけ揺らさない様にしながら飛んでまいりますが、シートベルトを…云々」
心が和んだ。ユーモアの精神って思いやりなんだな、と思った。
でも、「うるさい」「静かにしてくれ」と言う人もいるだろう。だから普通は無難に、用件だけをアナウンスする。その通例を破るアナウンスをするというのは勇気もいるだろう。だからこそ私はこのパイロット、内田さんが好きだ。この気持ちで操縦してくれれば安全な飛行が出来るだろうと信頼した。しかし着陸は結構バウンドした。これも愛嬌だと私は許せた。
そう言えば、昔、一人のスチュワーデス(昔はそう言っていた)が何十年かの勤務を終えてこれが最後のフライトという場面に出会った。パイロットのアナウンスで
「良かったら拍手で最後のフライトを祝ってあげて戴けないでしょうか」
とあり、機内は拍手に包まれた。私は涙まで流していた。あのスチュワーデスさんは幸せだったと思う。
私も幸せな気分だった。

松元ヒロ



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