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weekly HIROPON
週刊ヒロポン
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●週刊ヒロポン・その25●
Subject: 北京
Date: Thu, 10 Aug 2000 04:22:51 +0900
4日間、北京に行ってきました。女房と行く初めての海外旅行です。新婚旅行にも行った事のない二人が、家にいても喧嘩ばっかりの二人が、果たして無事に帰って来れるのか?この歳になってから「成田離婚」という事も覚悟しながら、出発したのです。女房はドキドキでした、なにしろ初めての外国です。
僕は少し余裕です。その昔「ピースボート」と言う団体の船に乗って、香港〜カンボジア〜ベトナムを旅した事があるからです。でも、その時でも現地に詳しい旅慣れたスタッフがいたからの事で、今回は安全の為「なんとか航空で行く北京4日間の旅」というバッジを胸に付けて夫婦で北京に降り立ちました。
てっきり、同じ様な日本人達とワイワイと旗の後をくっついて行くのかと思っていたら、違うのです。待っていたのは現地の中国のガイド(若い男性)さんが「松元様」の紙を持って待っていました。「いらっしゃいませ。ワ・タ・ク・シ・ガ、アナイシマス」と乗用者に乗せられて、天安門広場へ。
ガイド「あれが、毛沢東の写真です」
ガイド「そもそもこの門は今をさかのべる事・・」
私達「違う違う、さか‘のぼる’事」
などと、所々を私達夫婦が日本語を訂正し、教えながら歩くのです。折角、一生懸命説明してくれるので、こちらも聞き逃すまいとするし、覚えているのはガイドさんの顔のみ。何を観たのか?
2日目の「万里の長城」のあと、3日目の自由行動の日を心待ちにしました。なにしろ、中国に来ている実感がないのです。全て日本語なのです。ガイドさんが連れていくお土産屋さんも「いらっしゃいませ・・・」ホテルも「お・か・え・りな・さ・い・ま・せ」しかも部屋のテレビはBS1・2の日本語ニュースに日本テレビのチャンネルまであるのです。
ようやく、待ちに待った3日目が来ました。この日は「盧溝橋」と「中国人民抗日戦争記念館」を見ることに決めていました。日本の観光客はあまり行かない所らしいので、今度こそ中国を感じられる筈です。不安がる女房を尻目に「盧溝橋」と書いた紙をタクシーの運転手さんに見せました。無言で出発です。
しかし、ずーっと無言でいると不安なものです。本当に盧溝橋に連れて行ってくれるのだろうか?「盧溝橋」という食堂に連れて行かれたらどうしよう?
不安な二人、長い沈黙。その時、
女房「σ∞〆・・・」
運転手「〆仝∈・・」
女房「通じた通じた、あと少しだって」
そう言えば昔、女房は近くの公民館で中国語をかじったことがあったのだ。通じると思うと、色々と思い出してくるらしく、喋るのだ、中国語で。到着後は歩く順番が変わっていた。今まで私が先頭だったのに、女房の後を私が歩いていた。
抗日記念館は行って良かった。731部隊、南京大虐殺、悲しい現実をはっきりした映像や写真、そして数字で見た。あれが無かった、といってる奴はあそこに行くと良い。
「抗日戦争勝利55周年!」の看板の前で小さくなっている私。その前で、言葉がちょとでも通じた喜びと自信で胸を張る女房。
調子に乗った女房は私を引き連れて、地下鉄に乗るは、市場に行くは、とうとう、市場で買った「チャイナ服」を着て歩き始めた。気分は中国人なのだ。
でも、後ろから歩く私は見ていた。指差して笑っている中国の人達を。だって、普通の中国の人でチャイナ服を着ている人はいないのだから。恥ずかしそうに歩く私に女房は言った。
「あんたって、普段は面白くないのね」
確かに。
「お前の方が面白い」
・・・・中国では女房に負けた。
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