Subject: 安全は危険
Date: Wed, 1 Mar 2000 18:36:37 +0900
先日、巻町に行ってきました。日本で最初に住民投票が行われた町。そして、原発反対が勝った町。「まきまち」の名前は全国的に有名になりました 。上野から新幹線で新潟へ、新潟から越後線で約40分。巻駅にアライブドすると(長嶋?)、電車のドアを手で開ける。
「さすが原発反対の町。兎に角、電気を極力使わない様にしてるんだ!」
と思ったら、北国の電車は北風を、雪を車内に入れない為に全部のドアを自動で開けないのです。みんな知ってるよね?
予定より早く到着してしまった私。迎えの方が来るまで食事でもして待とうと、駅前に出るとひなびた食堂が一軒。選択肢が無いのです。(後で聞いたら、「失礼な、もう一軒ありますよ」と、言われてしまった。)でも、これが全国的に有名になった「巻町」なのです。
食堂のおばちゃんも、迎えの方も、お客様もみんな素朴で温かい心の人達ばかり。そうです、原発は海岸沿いのなるべく人の少ない所に建てようとするのです。本当に安全だったら頻繁に電気を使う大都会に建てれば良いのに。そうすれば送電線も節約できるのにね?
さて、迎えの柿崎さんの車で「巻町ほたるの館」に向かいます。
その時の風景に驚きました。様々な町や村を訪れましたが、こんな綺麗な立て看板の列を見たのは初めてです。
普通は不揃いな大きさの手作りの看板に「〜反対!」と手書きの文字。これが、基本です。ひとり、ひとりが反対してるんだな。という実感が伝わってきます 。
ところが、ここは違うのです。自分で作った看板じゃないのです。プロが作った看板にプロの文字。みんな画一的な看板。印刷したような味気ない文字で「原子力発電は安全です」と書かれているのです。「信頼」「安全」の文字が次々と目に飛び込んできます。背筋が寒くなりました。
つい先日、朝日新聞の記者さんが言っていた言葉を思い出しました。
「ヒロさんね。安全です、安全です。と言われると、人間は逆に危険を連想するもんなんですよ。」
これの事だったのか。
安全,安全、の文字が本当に「危険」の文字に見えてしまった。本当に安全だったら「安全」って言わなくても良いんだものね。
ところで、この「ヒロポン」は薬のヒロポンとは違って安全ですよ。
いや、本当に安全だってば!安全!
|